ブリトくんの卒業
[No.1376] 2023/09/02 (Sat) 08:23
大変遅くなりました。
(毎回で申し訳ありません)
8月16日水曜日、ミニチュアピンシャーのブリトくんにとてもとても素敵なご縁が繋がり、卒業しました


少し長くなりますが、お付き合いください。
『オレ、ブリト。
みんなからブリとか、ブリブリとか、ブリちゃ~んとか、ブリトく~んとか、ブリたんって呼ばれてる。

とにかくオレはここに結構ずーっと前から居て、なんたって最古参。筆頭ってやつや。
八丁だってかなり後輩になるからね。
オレが抱っこされてる時に寄ってきたら、八丁だって容赦無しで噛んでやるのさ。
普段のオレはチャロ兄と一緒に警備するのが仕事。
カフェはいろんな人が来るから
入口でカフェに入ってきた奴に、
誰やお前?って言うてとりあえずワンワン言うことにしてる。

カフェに近づく怪しい奴は入口の段階でオレがワンワン言うて蹴散らしたったこともあるしな。
みんな他の奴らは腑抜けばかりで、撫で撫でされて喜んでる。
チャロ兄もやるときはやる男やけど普段は寝てることも多いから、オレが1人でもしっかりカフェの治安を守らんとあかんってずっと思ってた。


だからな、ここに来た人が抱っこさせてって言われても、絶対NGや。
そんなん、オレ的には他の奴らみたいに腑抜けやないところ見せんとあかん。
仕事熱心で、意外とやるやろ?オレって。
でもな、ワンワン言うたら緑のエプロンつけてるスタッフが優しく抱っこしてくれるねん。
時にはスリングっていうすっぽり入る布の袋に入れてもらったこともあるし、
ほとんど抱っこしてもらって過ごした日もある。




いや、オレは可愛いからな。
きっと皆んなオレのこと好きやから抱っこしてくれてたんとちゃうやろか。
しかも実はここだけの話、抱っこが大好きやし、まぁそれはそれで居心地は良かったし。
嫌じゃ無かった。
そのままうたた寝も出来るしな。

ただ時々、オレのこと抱っこしながらチュッチュしてくる奴がおったわ。

最初はビックリしたけど、オレのこと好きなんやなぁって思って我慢したったけど。
あ、もう一人。
今はもう転勤とかいうのでカフェには来てないけど
オレのこと弟て呼んどったヤツもおってな。


色もオレとよう似た茶色い色しとったから、ほんまにオレの兄貴やったんやろか。
それだけは今も疑問として残ってるねん。
それから、さっきも言うたけどオレって可愛いやろ。
だから色々被りもん被らされるんやけど、コレが結構大好評。
オレ自身はジャニーズ系やと自負してるからなんでも似合うに決まってるんやけど、皆んなキャーキャー言うて写真撮っとったで。






いつぞやはララッタさんの抜け毛でカツラみたいに頭に乗せられていっぱい写真とられたこともあってな。



それも大人気。
お世話係(緑のエプロン隊)のグループLINEとかに載せられて喜んでもろたらしい。
でもな…。
オレには全然お声がかからんのに、色んなヤツが拍手されてずっとのお家がどんどん決まってここからいなくなってしまうねん。
あ、一回だけオレを気に入ってくれた人がいたんやけどな。
でもそれっきりで、いくら待っても二度と来てくれることはなかったんよな。
本気や無かったってことなんやろな、それは。
オレはこんなに可愛いし、仕事熱心やのにやで。
でも皆んなオレより若い奴やからなぁ。
オレみたいに年輪刻んでるほうが、魅力的な大人なはずやのに…なぁ。
皆んな見る目が無いわ。
だけどここはオレにとっては居心地は悪く無いからな。
オレの事大好きやで言うてくれる人や、可愛い言うて時折こっそり裏でオヤツくれる人もおったし。
体調悪くなったら慌てて病院に連れて行ってもくれる。
いつも笑いが溢れてる優しい場所やから。
だからええねん。
オレはここでずっといても。
今更そんじょそこらの人がオレの事好きやって言われても、優しい毎日が保証されるかわからんし。
ずっとここでおらせてくれるんやったらここがええ。
誰も迎えに来てくれんでもええ。
そう思っとった…。
でもな。
オレの事が大好きやって言うてくれる人が現れたんや。
いや、最初はわからんかったからいつもの様にワンワン言うて蹴散らしたったんやで。
せやのに、一週間と空けずにオレに会いに来てくれたんや。


オレだけを見て、オレだけが好き。
そう言うてくれてしょっちゅう会いに来てくれた。
オレはそれでも最初は信じられへんかったんやけど、
犬が飼えへん家を、飼えるお家に引っ越してまでオレをお家に連れて帰りたいて言うてくれた。
この前ちょっと小耳に挟んだんやけど、最初に会った時からオレのこと好きやったって言うとった。
聞こえんふりしてたけど…。
噂に聞く、一目惚れってやつなんやろな。
オレ、一応はポーカーフェイスを気取ってたけど
…ほんまはめちゃ嬉しかった。
今まで会った人やカフェに来てくれた人とは違う、オレに心底惚れてくれた初めての人…。
オレはこの人に会うために、ここに来たんやろか。
そんな気がした。
この人やったら一緒に暮らしてもええ。
いや、オレはきっとこの人のことを大好きになる。
だから…。
オレ、行くわ。
この人のところに。

そんで、そこで「幸せ」ってやつ感じてみるわ。
いままで世話になってありがとな。
まぁたまには遊びに来たるから、その時はよろしくな。』
……もしブリちゃんが話せたらこんな感じなんだろうかなぁ…って。
ブリちゃんとの日々に想いを馳せながら、他の書籍も参考にさせていただきながら、私なりに綴ってみました。
去年の8月16日に川西にやって来て、今年の8月16日に卒業したブリトくん。


カフェ滞在はちょうど1年。
暑い夏にやってきて、秋冬春を過ごし、また巡ってきた暑い夏。
お家が決まるのかと不安な時もあったけれど、こんな素敵なドラマティックなシナリオが待っていました。
可愛い瞳でじっと見つめてくれるちっちゃいブリト。

なんて可愛いんだろうと思った初対面でした。
9歳だったけれど、こんなに可愛いんだからきっとすぐにお家が決まる…って最初は思ってました。
でも、なんのなんの。
翌日からお客様が来られるたびにワンコラワンコラと飛びながら激し目に吠えました。
そしてお席に着かれると、どんなお客様にも激しく吠えたてる。


人に対しての警戒心かあったと思いますが、なぜだかいつだってちょっとへっぴり腰。
1mくらい離れたところからの威嚇。
そこからじりじり後退しながら…ずっと吠えていました。

カフェに来たほんの最初の頃だけお客様になんとか抱っこしてもらっていたものの、すぐに全アウト。
でも不思議なことに、緑のエプロンを付けたボランティアスタッフさんに対しては抱っこOKでした。

しかし吠えるときは、話し声をかき消すほどの大音量ワンワン。
ボランティアスタッフが抱っこすると鳴かない。
だから必然的に抱っこが増えて、土日のお客様が多い時にはほとんどボランティアスタッフさんの抱っこリレーで過ごすことも多々でした。
そうすると吠えないどころか、なんか安心してそのままうとうと寝たりもする。

要するに、ブリトはちゃんと人を見分けていました。
だから、こんなに吠えるのに、私を含めボランティアスタッフさんはみんなブリちゃんが大好きでした。
最近ではやっと、よく来てくださるお客様を見分けることが出来るようになって、抱っこもさせてくれるようになっていました。


ただ…抱っこされている時にお客様が手を出すとガウってしたり、ほかのワンちゃんが近づいたらガウしていましたけど。
保護されたときに本部で去勢と歯科処置はしてもらっていました。
なので残っている歯もわずか数本でした。

カフェに来たときは2.9㎏で痩せていて、もうちょっと体重を増やしてあげようと少しご飯を多めにあげていました。
でも…ブリちゃんはお腹がしょっちゅう緩くなりました。
9月後半には血便の下痢を多量に出して、びっくりして病院へ。

でも抗生剤を飲むとすぐに改善してくれて、ホッ。
それからも時折お腹が緩くなっていました。
でもお薬を飲むとすぐに改善。
ご飯は消化器サポート低脂肪を朝と夜に。
夜は美味しい鶏ささみをトッピング。
とにかくご飯はあっという間に平らげましたし、どんなおやつも大好きで食欲旺盛。
少しづつ体重も増えていったけれど、食べ過ぎるとお腹が緩くなるのでそこは控えめにあげていました。
10月中頃、肛門腺から膿が出て破裂していて…。

絞ってもなかなか出にくいタイプだったようで、抗生剤を服用。
今年の5月には背中に腫瘤ができて、慌てて診てもらったところただの粉瘤でホッ。
7月には右前足をビッコ。
もしかして頸椎に何かあるのかとびっくりして病院へ行ったけれど、大丈夫でした。


おそらく飛んだり跳ねたりして捻挫したようで、痛み止めを数日飲んで完治。


お散歩もしっかり歩いて、
概ね健康に過ごしてくれました。
10月11日に迎えた10歳のお誕生には、ボランティアさんにホールケーキを買ってもらってみんなでお祝い。


ちょっとだけかぶりつきで食べさせてもらったケーキ。
おそらく生まれて初めて食べたと思います。
美味しそうに食べてくれました。
ハロウィン、クリスマス、お正月はみんなと一緒に衣装に着替えてもらったり…。




いや、それだけじゃなくブリちゃんはいろんな人にお洋服を作ってもらって着せてもらいました。
おそらくカフェが始まって以来の衣装持ち。












(全て里親様にお渡ししました)
猫部屋前の侵入防止柵をちょっとでも開けようとすると、どこにいても猛ダッシュで私より先にスルリと入ってしまったり。
お客様が来られるととにかくジャンプするので真っ先に抱き上げないといけなかったり。
とにかく日中ほぼ抱っこ。
手がかからないと言えば嘘になります。
でも…。
ブリちゃんは本当に可愛い目をしていました。

その目にじっと見つめてもらうだけで幸せな気持ちにさせてくれました。
何も怒れなくなりました。
だから、私は何度も何度もシャッターを切った…。
一年間で撮り溜めたブリトの写真は、ほぼ1000枚に達していました。
でもそれは、私だけではなかったと思います。
なんだかんだと、みんなブリちゃんが大好き。
ブリちゃんと過ごす毎日は、可愛くて、面白くて、楽しい毎日。
カフェの一年間は、みんなに愛された一年間だったなぁって。
…しみじみそう思います。
そして…。
そんなブリトくんに運命の人が現れました。
最初にカフェに来てくださったのは5月の終わりころでした。
その日はご主人とお2人でのご来店で、お2人はワンちゃんが飼えないお家に住んでおられました。
その後、6月14日に奥様だけでご来店。
奥様(里親様)は、現在カフェボランティアをしてくださっているFさんの義理の妹さんでいらっしゃいました。
気が付くとブリちゃんを抱っこしてくださっていたので、お写真を撮らせていただきましたが、まだブリちゃんはぎこちなくて。
なんとか抱っこしてもらっても、降ろすとワンワン…笑。
ですが…里親様はその後もブリちゃんに会いに来続けてくださったのです。








6/28、7/6、7/13、7/19、7/26、7/30、8/3、8/10。
覚えているだけでもこんなに頻繁に、ただブリトくんに会いたくて通ってくださいました。
後程お聞きしたところ、
「最初に会った時から大好きだった」
そうです。
7月13日にお越しくださった時に、実は引っ越しをお考えだとお伝えくださった里親様。
「ブリトくんが好き」➡「ブリトくんと暮らしたい」➡「ブリトくんを迎える」
信じられないくらいの速さで、ご自身の生活を変えてまで、ブリトを望んでくださったのです。
もちろん、ご主人の同意もとってくださいました。
私は、里親様のお家がワンちゃんを飼えないお家だと知っていました。
だから本当に本当に本当に驚きました。
それは腰を抜かさんばかりの驚きでした。
でもそれと同時に、本当に本当に本当に嬉しかった。
これほどまでににブリちゃんのことを想ってくださっているそのお気持ちが嬉しかったことに加えて、本当に優しくて素敵な方だったからです。
今でもその時の気持ちは言葉では言い表せないほどです。
10月に11歳の誕生日を迎えるまでにはお迎えに来ていただけたら…。
などと考えていた私でしたが、里親様は8月中にはお迎えに来たいとまで言ってくださって。
そして引っ越しを8月14日に済まされ、お迎えに来てくださったのが8月16日。
奇しくもブリちゃんがカフェにやってきたのと同じ日が、卒業の日となりました。
今思えば、ちょうど1年というブリちゃんの時間は、主人公ブリトが演じたドラマの時間だったように思えます。
そのドラマはハッピーエンドの結末で、一年間ハラハラドキドキしながらドラマを観ていた私達を魅了した時間でもありました。

それは卒業の日に集まってくださったたくさんのボランティアさんやお客様が証明してくれていました。
たくさんの方にお餞別をもらい、シャンシャン隊(鈴の鳴り物)を含めたたくさんの方の笑顔に見送ってもらって。


それはそれは賑やかに卒業していきました。
「長くお家が決まらなかったワンちゃんには最高のお家が決まる」
川西のジンクスは…やはり健在でした。
里親様へ

この度は優しいご縁を繋いでくださいまして本当にありがとうございました。。
ブリちゃんに向けてくださった温かな愛情を想うと、今でも心が震えます。
出会っていただいて以来、ブリトくん一筋に心を寄せていただけたことを心から感謝しています。
ブリトくんの10年間は、里親様に出会っていただくために存在していた。
そう思い、ブリトくんが頑張ってきた月日が報われるような気持ちです。
これからが本当の意味でブリトくんの犬生。
穏やかで、温かで、愛情に溢れる時間が里親様ご夫婦に流れることを心から願っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
里親様はお家に迎えていただいてからお便りを何度か送ってくださいました。
とにかく抱っこ三昧の日々。
心配していたお家での様子は全く問題なく、里親様のお父様や、カフェボランティアのFさんご夫婦にも抱っこしてもらって、信じがたいことですが、お家に行ってから一度もワンワンという声を聴いていないそうです。
更には、お家にいって2日目には手足を伸ばしてベッドに寝たり、明け方には里親様のベッドで一緒に眠っているそうですよ。


穏やかに過ごしてくれている様子に、本当に安堵させていただきました。
ブリたんへ
カフェでは日中ずっと休まず動き回ってたし、
お客様にはもれなく激し目ワンワン。
ジャンプすると時折後ろ脚がビッコになるから


抱っこ抱っこの日々。
でもなんでやろね。
一度も嫌だとか思ったことがなかったんよ。
他のワンちゃんにカメラを向けたりなでなでしてたら
絶対に割り込んできたり、
抱っこしたら腕の中に顔をうずめてくれたり、


足踏みからからぴょんぴょんして抱っこをおねだりしたり。
寝起きはなぜかボケボケでお耳がシナシナに下がっているところ。


本当は気が弱いところや怖がりさんなところ。
人見知りなところ。
みんな可愛かったけど、
<
一番は、可愛いお目目でじっと見つめてくれるキラッキラビームに
ずっとずっと魅せられていたんだと思う。
もっと早くお家を見つけてあげたらよかったなって思う。
でもね、
ブリちゃんとの日々は全部すごく楽しかったな。
一年もいた気がしないくらいにね。
ブリちゃんがいてくれてほんとに楽しい1年だった。
カフェのみんなも一緒だったと思う。
みんなに愛された理由はただ一つ。
ブリちゃんが本当に可愛いワンちゃんだったからだよ。
そんなカフェでは賑やかだったブリちゃんが、
お家では全く鳴声を出さないなんて。
最初はにわかには信じがたかったけど、
「抱っこできなくても、ワンワン鳴いても
ただ側にいてくれるだけで幸せ」
って言ってくださっていた。
ブリちゃんをこんなに大好きと言ってくださった。
表面ではわからない、本当のブリちゃんを愛してくださった。
それはどんな人も敵わないって思う。
ワンワンいう必要などない温かさと優しさに満ちている
ブリちゃんがずっと待ち望んでいたお家だってことが
ブリちゃんにはわかっているからなんだって思った。
だから、本当に嬉しいよ。
ずっとブリちゃんを守り続けてくれるからね。
良かったね。
食べすぎと飛びすぎに注意して
お散歩も楽しく行って

やっと巡り合えた素敵な時間を
ゆっくりと過ごして欲しいって思います。
1年間お疲れ様。
そして心からありがとう。
幸せな日々を祈っています。

ブリたん、卒業おめでとう
ブリトくんンの名前は…。
ずっと呼んでもらっていたからと、そのまま…。
「ブリトくん」です。
里親様、本当にありがとうございました。
そして…。
1年間ブリトくんをお世話してくださったボランティアスタッフさん。
卒業を見送りにきてくださったお客様、ボランティアスタッフさん。
来られるたびに可愛がってくださったお客様。
ありがとうございました。
では。
(毎回で申し訳ありません)
8月16日水曜日、ミニチュアピンシャーのブリトくんにとてもとても素敵なご縁が繋がり、卒業しました



少し長くなりますが、お付き合いください。
『オレ、ブリト。
みんなからブリとか、ブリブリとか、ブリちゃ~んとか、ブリトく~んとか、ブリたんって呼ばれてる。

とにかくオレはここに結構ずーっと前から居て、なんたって最古参。筆頭ってやつや。
八丁だってかなり後輩になるからね。
オレが抱っこされてる時に寄ってきたら、八丁だって容赦無しで噛んでやるのさ。
普段のオレはチャロ兄と一緒に警備するのが仕事。
カフェはいろんな人が来るから
入口でカフェに入ってきた奴に、
誰やお前?って言うてとりあえずワンワン言うことにしてる。

カフェに近づく怪しい奴は入口の段階でオレがワンワン言うて蹴散らしたったこともあるしな。
みんな他の奴らは腑抜けばかりで、撫で撫でされて喜んでる。
チャロ兄もやるときはやる男やけど普段は寝てることも多いから、オレが1人でもしっかりカフェの治安を守らんとあかんってずっと思ってた。


だからな、ここに来た人が抱っこさせてって言われても、絶対NGや。
そんなん、オレ的には他の奴らみたいに腑抜けやないところ見せんとあかん。
仕事熱心で、意外とやるやろ?オレって。
でもな、ワンワン言うたら緑のエプロンつけてるスタッフが優しく抱っこしてくれるねん。
時にはスリングっていうすっぽり入る布の袋に入れてもらったこともあるし、
ほとんど抱っこしてもらって過ごした日もある。




いや、オレは可愛いからな。
きっと皆んなオレのこと好きやから抱っこしてくれてたんとちゃうやろか。
しかも実はここだけの話、抱っこが大好きやし、まぁそれはそれで居心地は良かったし。
嫌じゃ無かった。
そのままうたた寝も出来るしな。

ただ時々、オレのこと抱っこしながらチュッチュしてくる奴がおったわ。

最初はビックリしたけど、オレのこと好きなんやなぁって思って我慢したったけど。
あ、もう一人。
今はもう転勤とかいうのでカフェには来てないけど
オレのこと弟て呼んどったヤツもおってな。


色もオレとよう似た茶色い色しとったから、ほんまにオレの兄貴やったんやろか。
それだけは今も疑問として残ってるねん。
それから、さっきも言うたけどオレって可愛いやろ。
だから色々被りもん被らされるんやけど、コレが結構大好評。
オレ自身はジャニーズ系やと自負してるからなんでも似合うに決まってるんやけど、皆んなキャーキャー言うて写真撮っとったで。






いつぞやはララッタさんの抜け毛でカツラみたいに頭に乗せられていっぱい写真とられたこともあってな。



それも大人気。
お世話係(緑のエプロン隊)のグループLINEとかに載せられて喜んでもろたらしい。
でもな…。
オレには全然お声がかからんのに、色んなヤツが拍手されてずっとのお家がどんどん決まってここからいなくなってしまうねん。
あ、一回だけオレを気に入ってくれた人がいたんやけどな。
でもそれっきりで、いくら待っても二度と来てくれることはなかったんよな。
本気や無かったってことなんやろな、それは。
オレはこんなに可愛いし、仕事熱心やのにやで。
でも皆んなオレより若い奴やからなぁ。
オレみたいに年輪刻んでるほうが、魅力的な大人なはずやのに…なぁ。
皆んな見る目が無いわ。
だけどここはオレにとっては居心地は悪く無いからな。
オレの事大好きやで言うてくれる人や、可愛い言うて時折こっそり裏でオヤツくれる人もおったし。
体調悪くなったら慌てて病院に連れて行ってもくれる。
いつも笑いが溢れてる優しい場所やから。
だからええねん。
オレはここでずっといても。
今更そんじょそこらの人がオレの事好きやって言われても、優しい毎日が保証されるかわからんし。
ずっとここでおらせてくれるんやったらここがええ。
誰も迎えに来てくれんでもええ。
そう思っとった…。
でもな。
オレの事が大好きやって言うてくれる人が現れたんや。
いや、最初はわからんかったからいつもの様にワンワン言うて蹴散らしたったんやで。
せやのに、一週間と空けずにオレに会いに来てくれたんや。


オレだけを見て、オレだけが好き。
そう言うてくれてしょっちゅう会いに来てくれた。
オレはそれでも最初は信じられへんかったんやけど、
犬が飼えへん家を、飼えるお家に引っ越してまでオレをお家に連れて帰りたいて言うてくれた。
この前ちょっと小耳に挟んだんやけど、最初に会った時からオレのこと好きやったって言うとった。
聞こえんふりしてたけど…。
噂に聞く、一目惚れってやつなんやろな。
オレ、一応はポーカーフェイスを気取ってたけど
…ほんまはめちゃ嬉しかった。
今まで会った人やカフェに来てくれた人とは違う、オレに心底惚れてくれた初めての人…。
オレはこの人に会うために、ここに来たんやろか。
そんな気がした。
この人やったら一緒に暮らしてもええ。
いや、オレはきっとこの人のことを大好きになる。
だから…。
オレ、行くわ。
この人のところに。

そんで、そこで「幸せ」ってやつ感じてみるわ。
いままで世話になってありがとな。
まぁたまには遊びに来たるから、その時はよろしくな。』
……もしブリちゃんが話せたらこんな感じなんだろうかなぁ…って。
ブリちゃんとの日々に想いを馳せながら、他の書籍も参考にさせていただきながら、私なりに綴ってみました。
去年の8月16日に川西にやって来て、今年の8月16日に卒業したブリトくん。


カフェ滞在はちょうど1年。
暑い夏にやってきて、秋冬春を過ごし、また巡ってきた暑い夏。
お家が決まるのかと不安な時もあったけれど、こんな素敵なドラマティックなシナリオが待っていました。
可愛い瞳でじっと見つめてくれるちっちゃいブリト。

なんて可愛いんだろうと思った初対面でした。
9歳だったけれど、こんなに可愛いんだからきっとすぐにお家が決まる…って最初は思ってました。
でも、なんのなんの。
翌日からお客様が来られるたびにワンコラワンコラと飛びながら激し目に吠えました。
そしてお席に着かれると、どんなお客様にも激しく吠えたてる。


人に対しての警戒心かあったと思いますが、なぜだかいつだってちょっとへっぴり腰。
1mくらい離れたところからの威嚇。
そこからじりじり後退しながら…ずっと吠えていました。

カフェに来たほんの最初の頃だけお客様になんとか抱っこしてもらっていたものの、すぐに全アウト。
でも不思議なことに、緑のエプロンを付けたボランティアスタッフさんに対しては抱っこOKでした。

しかし吠えるときは、話し声をかき消すほどの大音量ワンワン。
ボランティアスタッフが抱っこすると鳴かない。
だから必然的に抱っこが増えて、土日のお客様が多い時にはほとんどボランティアスタッフさんの抱っこリレーで過ごすことも多々でした。
そうすると吠えないどころか、なんか安心してそのままうとうと寝たりもする。

要するに、ブリトはちゃんと人を見分けていました。
だから、こんなに吠えるのに、私を含めボランティアスタッフさんはみんなブリちゃんが大好きでした。
最近ではやっと、よく来てくださるお客様を見分けることが出来るようになって、抱っこもさせてくれるようになっていました。


ただ…抱っこされている時にお客様が手を出すとガウってしたり、ほかのワンちゃんが近づいたらガウしていましたけど。
保護されたときに本部で去勢と歯科処置はしてもらっていました。
なので残っている歯もわずか数本でした。

カフェに来たときは2.9㎏で痩せていて、もうちょっと体重を増やしてあげようと少しご飯を多めにあげていました。
でも…ブリちゃんはお腹がしょっちゅう緩くなりました。
9月後半には血便の下痢を多量に出して、びっくりして病院へ。

でも抗生剤を飲むとすぐに改善してくれて、ホッ。
それからも時折お腹が緩くなっていました。
でもお薬を飲むとすぐに改善。
ご飯は消化器サポート低脂肪を朝と夜に。
夜は美味しい鶏ささみをトッピング。
とにかくご飯はあっという間に平らげましたし、どんなおやつも大好きで食欲旺盛。
少しづつ体重も増えていったけれど、食べ過ぎるとお腹が緩くなるのでそこは控えめにあげていました。
10月中頃、肛門腺から膿が出て破裂していて…。

絞ってもなかなか出にくいタイプだったようで、抗生剤を服用。
今年の5月には背中に腫瘤ができて、慌てて診てもらったところただの粉瘤でホッ。
7月には右前足をビッコ。
もしかして頸椎に何かあるのかとびっくりして病院へ行ったけれど、大丈夫でした。


おそらく飛んだり跳ねたりして捻挫したようで、痛み止めを数日飲んで完治。


お散歩もしっかり歩いて、
概ね健康に過ごしてくれました。
10月11日に迎えた10歳のお誕生には、ボランティアさんにホールケーキを買ってもらってみんなでお祝い。


ちょっとだけかぶりつきで食べさせてもらったケーキ。
おそらく生まれて初めて食べたと思います。
美味しそうに食べてくれました。
ハロウィン、クリスマス、お正月はみんなと一緒に衣装に着替えてもらったり…。




いや、それだけじゃなくブリちゃんはいろんな人にお洋服を作ってもらって着せてもらいました。
おそらくカフェが始まって以来の衣装持ち。












(全て里親様にお渡ししました)
猫部屋前の侵入防止柵をちょっとでも開けようとすると、どこにいても猛ダッシュで私より先にスルリと入ってしまったり。
お客様が来られるととにかくジャンプするので真っ先に抱き上げないといけなかったり。
とにかく日中ほぼ抱っこ。
手がかからないと言えば嘘になります。
でも…。
ブリちゃんは本当に可愛い目をしていました。

その目にじっと見つめてもらうだけで幸せな気持ちにさせてくれました。
何も怒れなくなりました。
だから、私は何度も何度もシャッターを切った…。
一年間で撮り溜めたブリトの写真は、ほぼ1000枚に達していました。
でもそれは、私だけではなかったと思います。
なんだかんだと、みんなブリちゃんが大好き。
ブリちゃんと過ごす毎日は、可愛くて、面白くて、楽しい毎日。
カフェの一年間は、みんなに愛された一年間だったなぁって。
…しみじみそう思います。
そして…。
そんなブリトくんに運命の人が現れました。
最初にカフェに来てくださったのは5月の終わりころでした。
その日はご主人とお2人でのご来店で、お2人はワンちゃんが飼えないお家に住んでおられました。
その後、6月14日に奥様だけでご来店。
奥様(里親様)は、現在カフェボランティアをしてくださっているFさんの義理の妹さんでいらっしゃいました。
気が付くとブリちゃんを抱っこしてくださっていたので、お写真を撮らせていただきましたが、まだブリちゃんはぎこちなくて。
なんとか抱っこしてもらっても、降ろすとワンワン…笑。
ですが…里親様はその後もブリちゃんに会いに来続けてくださったのです。








6/28、7/6、7/13、7/19、7/26、7/30、8/3、8/10。
覚えているだけでもこんなに頻繁に、ただブリトくんに会いたくて通ってくださいました。
後程お聞きしたところ、
「最初に会った時から大好きだった」
そうです。
7月13日にお越しくださった時に、実は引っ越しをお考えだとお伝えくださった里親様。
「ブリトくんが好き」➡「ブリトくんと暮らしたい」➡「ブリトくんを迎える」
信じられないくらいの速さで、ご自身の生活を変えてまで、ブリトを望んでくださったのです。
もちろん、ご主人の同意もとってくださいました。
私は、里親様のお家がワンちゃんを飼えないお家だと知っていました。
だから本当に本当に本当に驚きました。
それは腰を抜かさんばかりの驚きでした。
でもそれと同時に、本当に本当に本当に嬉しかった。
これほどまでににブリちゃんのことを想ってくださっているそのお気持ちが嬉しかったことに加えて、本当に優しくて素敵な方だったからです。
今でもその時の気持ちは言葉では言い表せないほどです。
10月に11歳の誕生日を迎えるまでにはお迎えに来ていただけたら…。
などと考えていた私でしたが、里親様は8月中にはお迎えに来たいとまで言ってくださって。
そして引っ越しを8月14日に済まされ、お迎えに来てくださったのが8月16日。
奇しくもブリちゃんがカフェにやってきたのと同じ日が、卒業の日となりました。
今思えば、ちょうど1年というブリちゃんの時間は、主人公ブリトが演じたドラマの時間だったように思えます。
そのドラマはハッピーエンドの結末で、一年間ハラハラドキドキしながらドラマを観ていた私達を魅了した時間でもありました。

それは卒業の日に集まってくださったたくさんのボランティアさんやお客様が証明してくれていました。
たくさんの方にお餞別をもらい、シャンシャン隊(鈴の鳴り物)を含めたたくさんの方の笑顔に見送ってもらって。


それはそれは賑やかに卒業していきました。
「長くお家が決まらなかったワンちゃんには最高のお家が決まる」
川西のジンクスは…やはり健在でした。
里親様へ

この度は優しいご縁を繋いでくださいまして本当にありがとうございました。。
ブリちゃんに向けてくださった温かな愛情を想うと、今でも心が震えます。
出会っていただいて以来、ブリトくん一筋に心を寄せていただけたことを心から感謝しています。
ブリトくんの10年間は、里親様に出会っていただくために存在していた。
そう思い、ブリトくんが頑張ってきた月日が報われるような気持ちです。
これからが本当の意味でブリトくんの犬生。
穏やかで、温かで、愛情に溢れる時間が里親様ご夫婦に流れることを心から願っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
里親様はお家に迎えていただいてからお便りを何度か送ってくださいました。
とにかく抱っこ三昧の日々。
心配していたお家での様子は全く問題なく、里親様のお父様や、カフェボランティアのFさんご夫婦にも抱っこしてもらって、信じがたいことですが、お家に行ってから一度もワンワンという声を聴いていないそうです。
更には、お家にいって2日目には手足を伸ばしてベッドに寝たり、明け方には里親様のベッドで一緒に眠っているそうですよ。


穏やかに過ごしてくれている様子に、本当に安堵させていただきました。
ブリたんへ
カフェでは日中ずっと休まず動き回ってたし、
お客様にはもれなく激し目ワンワン。
ジャンプすると時折後ろ脚がビッコになるから


抱っこ抱っこの日々。
でもなんでやろね。
一度も嫌だとか思ったことがなかったんよ。
他のワンちゃんにカメラを向けたりなでなでしてたら
絶対に割り込んできたり、
抱っこしたら腕の中に顔をうずめてくれたり、


足踏みからからぴょんぴょんして抱っこをおねだりしたり。
寝起きはなぜかボケボケでお耳がシナシナに下がっているところ。


本当は気が弱いところや怖がりさんなところ。
人見知りなところ。
みんな可愛かったけど、

一番は、可愛いお目目でじっと見つめてくれるキラッキラビームに
ずっとずっと魅せられていたんだと思う。
もっと早くお家を見つけてあげたらよかったなって思う。
でもね、
ブリちゃんとの日々は全部すごく楽しかったな。
一年もいた気がしないくらいにね。
ブリちゃんがいてくれてほんとに楽しい1年だった。
カフェのみんなも一緒だったと思う。
みんなに愛された理由はただ一つ。
ブリちゃんが本当に可愛いワンちゃんだったからだよ。
そんなカフェでは賑やかだったブリちゃんが、
お家では全く鳴声を出さないなんて。
最初はにわかには信じがたかったけど、
「抱っこできなくても、ワンワン鳴いても
ただ側にいてくれるだけで幸せ」
って言ってくださっていた。
ブリちゃんをこんなに大好きと言ってくださった。
表面ではわからない、本当のブリちゃんを愛してくださった。
それはどんな人も敵わないって思う。
ワンワンいう必要などない温かさと優しさに満ちている
ブリちゃんがずっと待ち望んでいたお家だってことが
ブリちゃんにはわかっているからなんだって思った。
だから、本当に嬉しいよ。
ずっとブリちゃんを守り続けてくれるからね。
良かったね。
食べすぎと飛びすぎに注意して
お散歩も楽しく行って

やっと巡り合えた素敵な時間を
ゆっくりと過ごして欲しいって思います。
1年間お疲れ様。
そして心からありがとう。
幸せな日々を祈っています。

ブリたん、卒業おめでとう

ブリトくんンの名前は…。
ずっと呼んでもらっていたからと、そのまま…。
「ブリトくん」です。
里親様、本当にありがとうございました。
そして…。
1年間ブリトくんをお世話してくださったボランティアスタッフさん。
卒業を見送りにきてくださったお客様、ボランティアスタッフさん。
来られるたびに可愛がってくださったお客様。
ありがとうございました。
では。
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